LEGO野生児(インドア系)の三無主義。

LEGOやナノブロックでなんか作る〜。

見立てと文脈2:マイナー武器


ミニフィグスケールの「アフリカ投げナイフ」。

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騎士の兜につけるデコレーションパーツ2個で構成。

兜の頭頂部に付ける房飾りのパーツと、左右の耳のあたりに付けるコウモリの翼形のパーツの組み合わせ。

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接合はレゴの中でも最も細いダボを使用。

「普通のスタッド」でも「穴あきスタッド&細めのロッド」でもなく、フレンズの髪に髪飾りを付けたりするアレ。

 

「アフリカ投げ投げナイフ」の実物はこんな。

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…こうやって見るとレゴ版は「柄の向きが90°違ってたら良かったのに!」と思わずにはいられない。

だがこの最小のダボを持つパーツはごく限られているため、こうなってしまった。

柄がコウモリの翼状なのはフィンガーチャンネル(銃のグリップに時々ついてる、それぞれの指が収まるくぼみ)みたいでそれはそれでアリ(実物にはないが)。

しかしここでも「それなら柄も半径方向に90°回転してればもっと良かったのに」問題発生。

 

 

「マイナーな武器つながり」でもいっちょいっとくか〜!

 

これまたミニフィグスケールの「アトラトル」(アトルアトル:投槍器)。

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短い棒に槍の後端を引っ掛けて投擲する武器。

人類史上初の「複数のパーツから成る道具」であり、テコの原理で槍の投擲距離を飛躍的に伸ばすことができる。

その威力は絶大で「石器時代トカレフ」と呼ばれたりもする。

 

実物はこんな。

 

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ちなみにヒトは生身では力も弱くこれといった武器もない。

他の動物より優れた身体能力といえば長いコンパスと発汗による冷却能力を生かして長距離を移動する「持久力」と、「投擲能力」くらいしかない。

 

そのため、人類の初期の狩猟法は獲物が疲弊するまで追跡し続け、相手が疲労困憊したところをしとめる「持久狩猟」だった様だ。

ちなみに持久狩猟はコモドオオトカゲも行う。

 

 

もう一つの能力「投擲」は興味深い。

チンパンジーやゴリラはヒトと比較にならない上肢の膂力を持つが、投擲はあまり上手くないとされる(ただし、動物園等で観客に糞を投げつける能力を見る限り、そうでもない気もする)。

 

何メートルも離れた数十センチの物体に石をぶつけるためには、特定の軌道に石を乗せなければならない。

その軌道の「窓」、つまり「目標に当てるためにはこの範囲に入れなければならない」というエリアはごく狭い。

目標近くでは数十センチの範囲に入れば良いが、手元の近くでは数ミリの違いが大きなズレを生む。

ところが神経の伝達には多少の「ブレ」があり、その大きさは「窓」より大きい。

これでは石は目標に当たらない。

そこで脳は投擲のための神経を多数用意し、「大数の法則」(試行回数が多いと実際の平均値が期待値に近づく)によってブレを平均化して石を「窓」の中に通す…そのためにヒトは脳が巨大化して高い知能を獲得するに至った、という説がある。

真偽はともかく話としては非常に面白い(いつも通りの大脱線)。

 

「アフリカ投げナイフ」も「投槍器」も『MASTERキートン』でその存在を知ったなぁ…。

 

 

「アフリカ投げナイフ」に使った、房飾りのパーツを別のものに見立ててみる。

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…バナナの皮。

 

まぁコレは武器ではないが、誰かにダメージを与えるという意味では武器にもなる。

「足元を滑らせることで勝利を得る」という話は先述の『MASTERキートン』にもある。

「石畳に石鹸水を撒くことで戦車のキャタピラ(正確にはクローラー:履帯)を空回りさせ、行動不能にする」というエピソードがあるのだ。

 

ちなみにこのミニフィグ、「バナナの皮を踏む前なのにもう骨折してるやん」と思われるかもしれないが…

「一度骨折した直後にまた転ぶところ。一度あることは二度ある、というのはありがち…この人は失敗から教訓を得ないタイプの人なのだ」ということとしておく。 ←この「〜としておく」という蛇足コメントを入れるのって士郎政宗の欄外コメントみたいでカッコいいな

 

 

この様に、同じ形状のパーツを全く別のモノに見立てられるのがレゴの面白いところ。