LEGO野生児(インドア系)の三無主義。

LEGOやナノブロックでなんか作る〜。

ライオンの子殺し行動

 

シティ「どうぶつレスキュー オフローダー」(60301)に入ってる雄ライオンと仔ライオンを使って「ライオンの子殺し行動」を再現。

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ライオンはやたら擬人化されて「誇り高い生き物」だと思われがち。だが実際は子殺しをするし、ハイエナが狩った獲物を横取りする。

 

ライオンの子殺し行動は擬人的に捉えるとなかなか凄まじい。

子殺しを行うのは雄で、自分の子は殺さない。雄が他の雄のプライド(群)を乗っ取った時にそれは起きる。乗っ取ったプライドはいずれまた他の雄に乗っ取られる。雄にはあまり時間が残されていないのだ。だが子育て中の雌はリソース(資源)を今いる子供に振り向けるため、発情しない。その子は先代雄の子なので、乗っ取り雄はその子が育っても遺伝的利益は何もない。その間、雄は時間をただ空費することになる。

だが子がいなくなれば雌は子育てがなくなり、次の子を産むために発情する。そのため、雄は群にいる雌が前の雄との間に作った幼子を皆殺しにする。雌は我が子を殺した雄と交尾して子を産む。雌から見れば新たな子を作るために他に方法はないのだし、死んだ子の歳を数えても仕方がない。それにプライド(群)を防衛できなかった雄よりも、プライドの乗っ取りに成功した雄の方が優秀で魅力的だ。

 

擬人化すると「寝取られた妻が間男(かつ殺人鬼)にメロメロ」という地獄の状況であり、NTR系の薄い本が厚くなる。

 

子殺し行動は多くの動物で確認されており、身近なところではツバメもそうだ。いずれの場合も新たなパートナー雄が先代パートナー雄の子を殺す。

 

だが雌がそれを阻止する戦略を身につける場合もある。

雌は多数の雄と交尾することで子の生命を守る。子の父親が誰か分からなければ、自分の子である可能性もあるため、雄は子殺しをしなくなる。これは一部のハヌマンラングールやライオンの群で観察されている。

 

これまた擬人的に捉えれば、雌のビッチ化である。

 

余談ではあるが、「ビッチ」とは雌イヌのことである。ネコ科の多くは単独で待ち伏せ型の狩りをするため、森林に棲むが、ライオンはネコ科で唯一 集団で生活し、高い社会性を持つ。サバンナで集団で獲物を追い回すライオンはいわば「イヌ化したネコ」なのだ。なので雌ライオンをビッチ呼ばわりするのは言い得て妙なのだが、それはさておき。

 

動物の擬人化は程々にしておくべきだろう。

そもそも我々は他の生物に我々のモラルを押し付けるべきではない。我々が他の生物からモラルを学ぶべきでもない。

 

例えば我々がイルカの「共同で魚を追い込む」という行動から協調の素晴らしさを学ぶべきだと言うのなら、同様にイルカの「雄がしばしば雌をレイプする」という行動も性的モラルの手本にするべきなのだろうか? 勿論そんなことはあり得ない。

 

「見倣うべき点は見倣い、そうでない点は見倣わない様にすれば良い」という意見もあるかもしれない。だがその為には予め「何を見倣うべきで何を見倣うべきでないか」が解っていなければならない。イルカに学ぶ前からそれを身に付けているなら、わざわざそれをイルカから学び直す必要はない。

 

我々は自前の道徳だけで充分やっていける。自然界にそれを投影しなくても。

 

 

 

 

…動物フィグを2個並べただけでナニ語ってんだ私。