製品をプチ改造44:ティラノサウルス骨格
「ジュラシック・ワールド T-レックスの大化石展」(76940)をプチ改造。
これがノーマルの製品。 尾の付け根近くの関節はパーツが干渉して下へは曲がらない。関節のヘタり対策かもしれないが、可動域が制限されちゃうよね。
こちらがプチ改造後。血道弓(尾椎の下に並ぶ骨)は実物に合わせ、後方に向かって傾かせている。可動域制限もなくなったので尾を少し垂らしてみた。
製品版の左後肢を外した状態。腹部が平らなのが判る。
プチ改造後の左後肢を外した状態。腹部にピュービック・ブーツ(恥骨先端の膨らみ)の張り出しを作っている。
ジュラシックパーク・ジュラシックワールドシリーズに登場するティラノ(同一個体という設定)にはこの張り出しがない。
かつてはティラノの腹部にコレが表現されていることは「ちゃんと骨格を押さえて復元してます」という証であった。
だが実際には腹肋(腹部にある肋骨状の骨)があるため胸から恥骨先端まではなだらかにつながり、恥骨の張り出し(というか恥骨の前のくびれ)は必要ない筈だ。だがコレがあるとメリハリが付いて見栄えがするので、復元図や復元模型ではいつまでも表現され続ける(私もそのクチだ)。
他にも高価格帯の復元模型では「唇があって歯は殆ど見えない」とか「羽毛があったかも」といった、見栄えが悪くなる要素は無視されがち…(ただし、私は保温の必要がない巨大な成体ティラノには羽毛はなかったという説を支持している。仮にあってもちょぼちょぼ程度で、やたらに羽毛を強調するのは悪しきセンセーショナリズムでは?)。まぁ高いお金 払ってカッコ悪いティラノなんて欲しくないもんね…わかる〜。
ジュラシックシリーズのティラノ腹部はやや硬質なディテールが施され、ちゃんと腹肋の存在を意識してる様にも見える。ではコレが正解なのかというと…それにしちゃ胴体が上下に薄いんだよなぁ…ティラノは恥骨が長く胴体が太いのが特徴なのに、そこが再現できていない。あとティラノは足首が左右に太いのだが、ここが細すぎ(このレゴ版はちゃんと太くてイイ!)。まぁジュラシックシリーズのティラノは「科学的復元」というより「映画キャラ」だから別にいいけど。
ちなみに最近の古生物模型界では中国の台頭が目覚ましく、原型のクオリティーに関しても完全に日本を凌駕しているのだが…ティラノに関しては何故かいつまでもジュラシックシリーズ準拠のデザインが多いという謎。
…この様に、恐竜マニアは「願望よりも科学性」を標榜しつつ、いくつかのポイントではちょっぴり願望を優先させてしまう、業の深い生き物なのだ。なので商業的な復元模型というのはしばしば科学性と願望が入り混ざった、奇妙なキメラだったりする。
製品をプチ改造43:トンボ
ポリバッグ入りのマンスリー・ミニビルド「トンボ」(40244)をプチ改造。
腹は倍の長さに延長。
脚の上にパーツを加え、擬似的に脚が長く見える様にしている。
製品はこんな。
(画像は拾い物)
なんだかガニ股…。
ライオンの子殺し行動
シティ「どうぶつレスキュー オフローダー」(60301)に入ってる雄ライオンと仔ライオンを使って「ライオンの子殺し行動」を再現。
ライオンはやたら擬人化されて「誇り高い生き物」だと思われがち。だが実際は子殺しをするし、ハイエナが狩った獲物を横取りする。
ライオンの子殺し行動は擬人的に捉えるとなかなか凄まじい。
子殺しを行うのは雄で、自分の子は殺さない。雄が他の雄のプライド(群)を乗っ取った時にそれは起きる。乗っ取ったプライドはいずれまた他の雄に乗っ取られる。雄にはあまり時間が残されていないのだ。だが子育て中の雌はリソース(資源)を今いる子供に振り向けるため、発情しない。その子は先代雄の子なので、乗っ取り雄はその子が育っても遺伝的利益は何もない。その間、雄は時間をただ空費することになる。
だが子がいなくなれば雌は子育てがなくなり、次の子を産むために発情する。そのため、雄は群にいる雌が前の雄との間に作った幼子を皆殺しにする。雌は我が子を殺した雄と交尾して子を産む。雌から見れば新たな子を作るために他に方法はないのだし、死んだ子の歳を数えても仕方がない。それにプライド(群)を防衛できなかった雄よりも、プライドの乗っ取りに成功した雄の方が優秀で魅力的だ。
擬人化すると「寝取られた妻が間男(かつ殺人鬼)にメロメロ」という地獄の状況であり、NTR系の薄い本が厚くなる。
子殺し行動は多くの動物で確認されており、身近なところではツバメもそうだ。いずれの場合も新たなパートナー雄が先代パートナー雄の子を殺す。
だが雌がそれを阻止する戦略を身につける場合もある。
雌は多数の雄と交尾することで子の生命を守る。子の父親が誰か分からなければ、自分の子である可能性もあるため、雄は子殺しをしなくなる。これは一部のハヌマンラングールやライオンの群で観察されている。
これまた擬人的に捉えれば、雌のビッチ化である。
余談ではあるが、「ビッチ」とは雌イヌのことである。ネコ科の多くは単独で待ち伏せ型の狩りをするため、森林に棲むが、ライオンはネコ科で唯一 集団で生活し、高い社会性を持つ。サバンナで集団で獲物を追い回すライオンはいわば「イヌ化したネコ」なのだ。なので雌ライオンをビッチ呼ばわりするのは言い得て妙なのだが、それはさておき。
動物の擬人化は程々にしておくべきだろう。
そもそも我々は他の生物に我々のモラルを押し付けるべきではない。我々が他の生物からモラルを学ぶべきでもない。
例えば我々がイルカの「共同で魚を追い込む」という行動から協調の素晴らしさを学ぶべきだと言うのなら、同様にイルカの「雄がしばしば雌をレイプする」という行動も性的モラルの手本にするべきなのだろうか? 勿論そんなことはあり得ない。
「見倣うべき点は見倣い、そうでない点は見倣わない様にすれば良い」という意見もあるかもしれない。だがその為には予め「何を見倣うべきで何を見倣うべきでないか」が解っていなければならない。イルカに学ぶ前からそれを身に付けているなら、わざわざそれをイルカから学び直す必要はない。
我々は自前の道徳だけで充分やっていける。自然界にそれを投影しなくても。
…動物フィグを2個並べただけでナニ語ってんだ私。
【カスタムレゴ:製品レビュー】デロリアン タイムマシン
おなじみICHIBAN Toys社のカスタムレゴ。ICHIBAN Toys社はデロリアンを何度もリリースしており、コレは確か「V5」(バージョン5)。
デロリアンはバージョンごとの差が激しく、ちょっとしたマイナーチェンジではなく大きさ自体が結構違うやつがあったり。V5はICHIBAN Toys社製品でも屈指の大物で、2万円近くしたよーな。
ボンネットはテクニックのビームを集積させることで平面を構成。
ガルウィングは開閉式。ただし、強度面では不安しかない…
ステアリングは左右連動。
…なのにタイヤを飛行時の水平状態にできるという変態機構。
飛行形態。
コレは2作目バージョン。
パーツ組み替えのコンパチで1作目バージョン(車体後部に落雷の電気を取り入れるためのフックがある)、3作目バージョン(ボンネットに真空管の詰まった箱を置き、ホイールカバーがシンプル)にもできるが、パーツを発掘して組み替えて撮影するのが面倒いのでパス(ものぐさ)。
プレイルーム(意味深)
レゴライフに投稿しなくなって1年ほど経ったろうか。
(この辺の事情は2021年7月11日のエントリ『クモ あるいは「さようなら、レゴライフ』を参照)
久々に作品をUPするか、と思って『デーモンコア』を投稿してみた…がまたしても投稿拒否の憂き目に。
(この作品については2021年7月4日のエントリ『デーモン・コア』を参照)
へ〜…
レゴの人体骨格をそのまま使っただけでアウトですか。
レゴのインディジョーンズシリーズには「死のトラップまみれの遺跡のセット」があって、「トラップに引っかかり串刺しになって死んだ犠牲者の骨」とかあるのですが、それは「暴力的」でも「キャラクターが殺された」でもないんだ?
(画像は拾い物)
レゴのスターウォーズシリーズには「ハン・ソロを氷漬け(カーボナイト処理)にして遊ぶ」とか「手足のなくなったアナキン・スカイウォーカーをダースベイダーに変身させて楽しむ」というトンデモなセットがあるんですけど、これって「子供たちにとって適切な内容」なんだ?
(画像は拾い物)
(画像は拾い物)
レゴにはゾンビのミニフィグも普通にあるけど、蘇る死体は死んでないからOKなのかな?
(画像は拾い物)
…こんなん出してるメーカーにモラルについてとやかく言われるとか、世も末だな…!
こういうのを出してるのが悪いのではない。
グロネタは私も大好きだ。
自分たちはこういうので商売してる癖に、人にはそれを禁止する矛盾した態度が問題なのだ。
…という訳で今回は非常に健全な作品。
ミニフィグ2体の体は宇宙シリーズの宇宙服の、上体を前後逆にしたもの。
「ふざけて宇宙服を逆に着た2人が、遊び部屋(プレイルーム)にいろんなガジェットをぶちまけてキャッキャしてるところ」である。
これ以上健全なものがあるだろうか?
【互換:製品レビュー】ポリススピナー
MOCというメーカーの互換ポリススピナー(商品名は「POLICE CAR」)。
前回紹介したICHIBAN Toys社製カスタムレゴのポリススピナーと並べたところ。
キャノピーは同形パーツなのに、ボリュームがかなり違います。ICHIBAN Toysの方がシド・ミードの丸みのあるデザインを上手く再現してますね。私は持ってませんが、 ICHIBAN Toys社のポリススピナーV4(ヴァージョン4)はさらに丸みが…!
あとICHIBAN Toys版はポッチの向きをくるくるとアクロバティックに変えていくのですが(その分、強度にしわ寄せが…)、MOC版は割と普通の組み方です。しかし私はこのMOC版の素朴な組み方でそれっぽく見せるやり方や、ブロックらしい四角っぽさ、ボリューム感も好きだったり。
後部の黄色いアーチ状部分も、ICHIBAN Toys版は実物通り斜めに垂れ下がってますが、MOC版は真っ直ぐのままという男らしさ…ええやん!
後方より。
ドアは開閉。
側面。
ほぼ真上から。
下面。
普通なら8幅のボリュームなのですが、なんと後輪は4幅です。マジか!? まぁあんまり見えないトコだからいーけど。
キャノピーを外したところ。
実はちょっとだけ手を入れてます。コレは説明書通りに組んだ状態。
コレ以外の画像はより実物に似る様に、キャノピーの後にあるバルジを前後逆に取り付け、サイドミラーを少し斜めに取り付けてます。
何故か大量にパーツが余る…
予備とかちょっと多いとかなら理解できるのですが、全く使わないパーツまでいくつも入ってるという…。ちょっぴり不足パーツもあったので、手持ちのレゴパーツで補ってます(互換にはありがち)。
この製品、フリマサイトで見つけたのですが、300パーツそこそこで1万円という強気な値付け…レゴ純正でも3000円そこそこ分くらいのボリュームなのに、互換でこの値段…! しかし最近、互換品は急速に相場が上がっていて、純正より高いこともしばしばあるのです。どうしても欲しいアイテムの場合は仕方ない…
オタクにとって最も怖しいのは「ぼったくられること」ではなく「入手し損なうこと」です。J-15の時も無理して即買いしましたが、その後すぐに入手難になってたし。なので明日、コレが2000円で買える様になってても別に構いません。
それより買い逃しのリスクを避けることが大切…!
という訳で交渉して1割引きで購入しました。私のこの行為のせいで「この商品はこの値段で売れた」という悪しき前例が出来てしまい、「コレはマニア向けアイテムだから吹っかけてもイケる!」と高めの相場が続くことになるかもしれません。
…でも、買うんだよ!(しおさいの里イズム)
「断捨離」など悪魔の思想。私の好きな言葉は『蒐集』という本の帯にあった「モノよ、我が心の虚ろを満たせ!」です。
【カスタムレゴ:製品レビュー】ポリススピナー
「カスタムレゴ」という言葉には微妙に異なるいくつかの意味があります。
①:レゴ製品のセットにないオリジナルの組み方で、レゴの純正パーツを用いて商品化したもの。
②:レゴに一部 互換品のパーツを用いたもの。
③:いわゆる互換品。
①は大抵は個人レベルで、いわばレゴ版のガレージキット。
②は特にミリタリー系のミニフィグ界で用いられる様です。
まず大型アクションフィギュアの世界に軍装ものや特殊部隊ものなどのミリタリー系があり、それのミニフィグ版も人気があります。
レゴ社は基本的にミリタリーものは作らないことになっているので(その割にスターウォーズやアメコミものでは超兵器をばんばん作ってますが)、銃器や装備品は社外品(つまりは互換品)ということになります。
当ブログでは基本的に①の意味で使っていきます。
という訳でオタク心をくすぐるアイテムばかり発売しているカスタムレゴ界の雄、ICHIBAN Toys社のポリススピナー。
実は2台持ってたり。
微妙に組み方が異なります。
ICHIBAN Toys社の製品にはバージョン違いがいくつもありがち。
正面上方から。
素晴らしい出来ですが、サイドミラーやパトランプ基部のバルジ(出っ張り)がないのがちょっと気になりますね。
下面。
やはり微妙に組み方が違うのが判ります。
左のものはシートを少し傾けられたり。
↑左のものは下面に普通のベースを差し込み、↓飛行状態で飾れます。
劇中っぽく暗めの画像にしてみました。
ICHIBAN Toys社はその後、ポリススピナーV4(ヴァージョン4)を発売した様です。
こちらは全体がさらに曲線的になりってよりシド・ミードのデザインに近づき、サイドミラーやパトランプ基部のバルジも再現されてる様子。