LEGO野生児(インドア系)の三無主義。

LEGOやナノブロックでなんか作る〜。

製品をプチ改造44:ティラノサウルス骨格

 

 

ジュラシック・ワールド T-レックスの大化石展」(76940)をプチ改造。f:id:nekoawabi:20211025162729j:image

これがノーマルの製品。 f:id:nekoawabi:20211025230430j:image尾の付け根近くの関節はパーツが干渉して下へは曲がらない。関節のヘタり対策かもしれないが、可動域が制限されちゃうよね。

こちらがプチ改造後。f:id:nekoawabi:20211028180217j:image血道弓(尾椎の下に並ぶ骨)は実物に合わせ、後方に向かって傾かせている。可動域制限もなくなったので尾を少し垂らしてみた。

製品版の左後肢を外した状態。f:id:nekoawabi:20211025230632j:image腹部が平らなのが判る。

プチ改造後の左後肢を外した状態。f:id:nekoawabi:20211025162842j:image腹部にピュービック・ブーツ(恥骨先端の膨らみ)の張り出しを作っている。

ジュラシックパークジュラシックワールドシリーズに登場するティラノ(同一個体という設定)にはこの張り出しがない。

かつてはティラノの腹部にコレが表現されていることは「ちゃんと骨格を押さえて復元してます」という証であった。

だが実際には腹肋(腹部にある肋骨状の骨)があるため胸から恥骨先端まではなだらかにつながり、恥骨の張り出し(というか恥骨の前のくびれ)は必要ない筈だ。だがコレがあるとメリハリが付いて見栄えがするので、復元図や復元模型ではいつまでも表現され続ける(私もそのクチだ)。

他にも高価格帯の復元模型では「唇があって歯は殆ど見えない」とか「羽毛があったかも」といった、見栄えが悪くなる要素は無視されがち…(ただし、私は保温の必要がない巨大な成体ティラノには羽毛はなかったという説を支持している。仮にあってもちょぼちょぼ程度で、やたらに羽毛を強調するのは悪しきセンセーショナリズムでは?)。まぁ高いお金 払ってカッコ悪いティラノなんて欲しくないもんね…わかる〜。

ジュラシックシリーズのティラノ腹部はやや硬質なディテールが施され、ちゃんと腹肋の存在を意識してる様にも見える。ではコレが正解なのかというと…それにしちゃ胴体が上下に薄いんだよなぁ…ティラノは恥骨が長く胴体が太いのが特徴なのに、そこが再現できていない。あとティラノは足首が左右に太いのだが、ここが細すぎ(このレゴ版はちゃんと太くてイイ!)。まぁジュラシックシリーズのティラノは「科学的復元」というより「映画キャラ」だから別にいいけど。

ちなみに最近の古生物模型界では中国の台頭が目覚ましく、原型のクオリティーに関しても完全に日本を凌駕しているのだが…ティラノに関しては何故かいつまでもジュラシックシリーズ準拠のデザインが多いという謎。

 

…この様に、恐竜マニアは「願望よりも科学性」を標榜しつつ、いくつかのポイントではちょっぴり願望を優先させてしまう、業の深い生き物なのだ。なので商業的な復元模型というのはしばしば科学性と願望が入り混ざった、奇妙なキメラだったりする。