LEGO野生児(インドア系)の三無主義。

LEGOやナノブロックでなんか作る〜。

【ナノブロ】マッコウクジラ

 

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マッコウクジラは細かな曲面の多い、複雑な形状を持つが、ざっくり大掴みに捉えれば四角っぽいシンプルな形でもある。【註】

 

以前に作ったマッコウ(4/17に紹介)はこのシンプルな捉え方のもので、それなりに気に入ってはいるものの、決して見栄えのする作品ではないのでリアル版も製作。


造形的には老成した雄をイメージ。
ただし、マッコウクジラは資料によってその形が随分と違う。

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スマートな頭部とその左右に張り出した頭骨の稜線を持つバージョンの資料に依拠した・・・が、これらの特徴は実は捕鯨船の甲板上に横たわる死体が重力によって肉が流れてそう見えてるだけちゃうんか疑惑。
生体の写真を見ると頭はずんぐりと太く稜線も見当たらず、全体にぶよんとした形なのだ。

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でも個人的好みでスマートに。
ついでに各部のプロポーションも気持ち願望混じりに格好良くなってるかも。

目はこのスケールで再現するとバカっぽいので、あえて表現せず。

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ちなみに実物の目は口元と胸鰭の中間あたりのやや上方、というわりと意外な位置にある。
普通に「このへんちゃう?」と思うよりけっこう後ろでかつ高い場所。

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下顎の細さは最もこだわった。
付け根が急激に太くなるあたりも上手く再現できたと思う。

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頭部の細かな曲面はねちねち再現。
先端の形状や、幅の狭い上顎から頭骨の稜線までなだらかに駆け上がるオーバーハングなど結構お気に入り。


上面

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上面から見ると胴体が左右にややボリューム不足だが、狭い口やシャープな背中の稜線を再現する都合上、奇数ポッチ幅で組んでいるので、これ以上太くすると一気に2ポッチ幅増えることになり、逆に太くなりすぎるので断念。

尾鰭の付け根は左右をぎゅっと絞ってある。
しかし上下方向には極端に厚い。
これは尾鰭を上下に振るための膨大な筋肉がつくため。

同様の構造は高速遊泳する魚にもしばしば見られ、「尾柄隆起」と呼ばれているが、魚は尾鰭を左右に振るため、この隆起は左右に付く。

クジラが尾鰭を上下に振るのは、走行時に背骨を上下に曲げて走る哺乳類の特徴を残しているため。

本当は下半身はもう少しスマートにしたかった。
後に行くにしたがい5ポッチ幅→3ポッチ幅→2ポッチ幅→1ポッチ幅、と途中に偶数幅を入れてなだらかに幅を減らしてみたのだが、結局太めになってしまった。
細めの胴体とあいまってメリハリ不足で反省。

 

下面

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模様も再現。本当は白だが、白いパーツを使うとコントラストがきついので淡灰色にしてある。
海中だとこのくらいに見えるはず。

 

全体に少しずつボリューム調整を繰り返して作ったため、細かいパーツの集積になってしまい、非常にもったいない上に強度不足なので、いずれは大ぶりのパーツで同一形状に組み直したい。

 

さーて、マッコウを手にグレートシングのテーマを口ずさみながら遊ぶかー!

 

 

製作は2011年7月。

 

 


【註:細部は複雑だが大まかにはシンプルな形】

全体的にはシンプルで細部は複雑、というのはデザイン的に素晴らしい。
例えば「スターウォーズ」に登場する宇宙船は「くさび型」とか「円盤」とか単純な幾何学形態ではっきりしたキャラクター性を全面に打ち出しながらも、近寄ると細かなディテールに満ち溢れており、そこが非常にそそる。